昨今の長寿の祝い
長寿の祝いは日本特有の風習で、奈良時代から行われてきたようです。人生50年の時代には、60歳といえば長生きの部類に入り、相当めでたいことでした。しかし平均寿命も世界一に延びた昨今では、60歳の還暦の祝いを盛大に行うことを嫌がる人も多く、現役で働いている人も大勢います。長寿の祝いは、本人の意向を確認してから行います。生まれた干支に戻ることを「本卦還り(ほんけかえり)」といいますが、これは還暦のことです。人生の大きな仕事はおおかたすませたということで、親戚や知人などを呼んで宴を開きます。その際、贈られた赤いちゃんちゃんこや頭巾を身につけ、赤い座布団に座りますが、これは赤ちゃんに戻り、生まれ変わった気持ちでこれからの人生をすごしてほしいという意味です。しかし長生きがふつうになったため、還暦の祝いを盛大にすることは少なくなり、赤いちゃんちゃんこを贈ったら、怒って祝宴が台無しになってしまったという話もあります。少し大きな誕生日祝いというイメージで、赤系のベストやセーター・膝掛けや毛布など、一部に赤色の入った品物を贈るのがいいでしょう。
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