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薪の宴の能

「薪能は神事に舞う能のひとつで、薪の宴の能という意味です。薪宴は、修二会(修二月会の略)に用いられる薪を春日山から賑やかに伐採してくる行事で、ここから薪能の名がつきました。修二会は、752年に東大寺二月堂の開祖忠和和尚が始めた行事で、陰暦2月に僧侶たちが厳しい戒律を守りながら、連夜いろいろな行をして国家の隆盛を祈ります。能の前身である猿楽能は、寺社に属していた神事能でした。特に奈良の興福寺・春日大社に所属して法要、祭事を行っていたのが「大和猿楽」です。最初の薪能は、室町時代に大和猿楽の四座の大夫(結崎・外山・円満井・坂戸の四座で、それぞれ現在は観世流・宝生流・金春流・金剛流となっている)により東大寺南大門前で演じられ、江戸時代まで続きましたが、明治に衰退し、戦争中は中止になりました。戦後は、昭和27年5月11・12日に行われ、初日は4流派の家元、2日目は弟子たちが競演します。東京では明治神宮で、観世流により奉納される薪能が演じられています。薪が点火され、ほんのりとした明かりの下で演じられる薪能の優美、典雅な情景はまさに幽玄の世界そのものです。いまは薪を燃やして上演する野外能も薪能といっています。

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