工事の安全と家の繁栄を祈る
新築には「地鎮祭(じちんさい)」と「上棟式(じょうとうしき)」(=建て前)を行います。地鎮祭は、その土地を清め、土地神の庇護のもと、工事の安全とその家の繁栄を祈る儀式です。神官におはらいをしてもらい、神官には「御初穂料」「御祈祷料」としてお礼を渡し、「お車代」「御酒肴料」も別の熨斗袋に入れて渡します。上棟式は、家の主要な柱を立て終わり、棟木を上げた時点で祝う儀式です。この儀式には、建築主とその家族、そして工事に関するすべての関係者が列席し、棟梁が中心となって祝詞(のりと)をあげます。おひねりや餅をまき、集まった人たちに拾ってもらう地方もあります。棟梁や工事関係者にはご祝儀を用意して渡します。近所の方々へは、地鎮祭前後に菓子折りなどを携え、工事で迷惑をかけることのお詫びと挨拶に回ります。新築祝いの品を贈る場合は、先方に必要なものを聞くのがいいでしょう。聞けない場合は、お宅に伺って拝見してから贈ります。新築祝いでは火に関する贈り物はタブーとされていますから、コンロ・卓上ライター・灰皿のような「燃える」を連想させるものは避けます。しかし先方から「ヒーターが欲しい」という希望があれば、例外となります。お祝いをいただいたときのお返しは、昼間の明るいうちに、新居を披露する会に招待するのがいいでしょう。お返しにはキャンディーボックスや小物入れなどの「容器」を贈るのが一般的です。一戸建て住宅を建てるのは大変なことで、一生に何度も行うことではなく、今でも建てるときには地鎮祭を行い、多くは神式です。なお、新築で間取りを決めるときに、東北方向(丑寅)には玄関・門をつくることは避けました。丑寅の方から鬼がやってきて災いを起こすという「鬼門」となるからです。一般家庭では、その方角にお札を貼ったり、南天(難を転ずる)を植えたりしています。屋敷ではその方角に社を設けて安全鎮護を願いますが、京都御所に対する比叡山延暦寺、江戸城に対する上野寛永寺はよく知られています。
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