四季に合わせて装いを替える
「衣替え」は古くから伝統を引き継いでおり、江戸時代には年4回ありました。陰暦4月1日には、綿抜きといって綿を入れた着物から裏地を付けた袷衣(あわせ)にしました。5月5日には裏地のない単衣(ひとえ)の着物にします。単衣の生地は羽二重・ちりめん・楊柳などから透ける生地の絽(ろ)となります。それも平絽・駒絽となり、絽目も七本絽・五本絽・三本絽というように透け具合が高まります。最も暑いときには紗や麻の生地が着られ、夏の暑くなる時期を細かく分けて着用し、自分も涼しく、他人の目にも涼感を与える工夫をしました。9月1日から8日までが袷で、重陽の9月9日からは綿入れとして3月31日まで着用しました。寒くても暑くても江戸の人々はしきたりどおり着替え、まわりの人と同じ姿でないと面子がたたないのか、その前日は質屋が大変混んだといわれます。衣替えの時期に質屋から出すと、衿などが傷んでいることがよくあり、必要な衿丈分だけを買える反物(たんもの)の量り売りが人気を呼びました。反物は1反2反と数えますが、1反は3丈で11.4mです。1反が着物表1枚分で、1疋(ぴき)というと2反分でお対(おつい)といい着物と羽織ができます。お客の前で必要な長さを物差しで計り、反物の耳にはさみで2〜3分の切り込みを入れ、両手で引き裂くと、布目にそってきれいに裂けます。20年ほど前までは呉服売場でよくみられた光景です。
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